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2011年 02月 13日

石岡の看板建築めぐり その3 ~十七屋履物店&久松商店・石岡市~

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「石岡の看板建築めぐり その3」です。
これまで紹介した石岡の看板建築は、そのほとんどが市街地を通る中町通りに面しています。

「十七屋履物店」さんもその一つ。
この建物も国の登録有形文化財に指定されています。
正式には「十七屋履物店店舗兼住宅」という名称のようです。

現存している石岡の看板建築は、そのほとんどが昭和4年の大火の後に建てられたものです。
「十七屋履物店」さんは、この地区で最初に再建された建物だそうです。


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建物の中心には「十七屋商店」の文字。
緑青が出ているので、銅板で作られたものでしょう。
現在の黄色の壁と文字が囲まれたレンガ風の色にマッチしていますが、建てられた当時は輝く銅色だったんでしょうね。


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この部分の一番下には、「持ち送り」風の構造物があります。
「持ち送り」は、その上に”張り出したもの”を支える為のものです。
「持ち送り」の詳細はこちら
でも、持ち送りよりも張り出している構造物は上にないので、やはりこれは装飾の意味合いで作ったものなのでしょうか?


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軒下には、茶色と白でできた小さなアーチが連続した装飾があります。
これは「ロンバルディア帯」というもので、北イタリア・ロンバルディア地方が起源とも言われているものです。
中世ヨーロッパの教会など、ロマネスク様式建築物に使われている意匠なんだとか。

う~ん、どこでこれ知って、この建物に取り入れることにしたんでしょうか?
この左官仕事もすごいですよね!



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さて、お次は「久松商店」さん。
「十七屋履物店」さんの隣にあります。
こちらは昭和5年頃に建てられた建物です。
この建物も国の登録有形文化財に指定されていて、正式には「久松商店店舗兼住宅」という名称で登録されています。


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正面の外壁が銅板張りになっているのが特徴といえると思います。

太平洋戦争中、この建物に使われていた銅板は供出させられました。
その後は、ドイツ下見板張りという様式で張られた板張りだったそうですが、近年(2005年頃?)、文化財指定を受けるにあたり、当初の銅板張りの外壁に復元されたそうです。

昭和5年頃に張られた銅板であれば、緑青によって緑色なったものが見られるんでしょうけど、まだ数年程度しか経過していないので、現在は赤銅色です。
新品の銅色の時も見てみたかったなぁ。

ちなみに、銅色は「赤銅色→褐色→暗褐色→黒褐色→緑青」となります。
緑青の色になるまでには10年~15年程度かかるそうです。


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両端の柱は、芋目地張りという様式でタイルが張られています。
その柱の上部には、ふくろうとうなぎ(?)みたいなものがデザインされたタイルがありますね。
このタイルに描かれた生き物と意味は何なんでしょうね??


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柱の上部からは、蛇腹(コーニス)といわれる帯状の装飾が施されています。
ラーメンのどんぶりにある雷文みたい(違うんでしょうけど(^-^;)ですね。
店名がある中央部で、半円状のデザインを入れているところがカッコいい!
このデザインもどこかの建築様式を参考にしたのでしょうか?


実は、この「久松商店」さんの2階で飲み会をしたことがあります(笑)
国の登録有形文化財なので、ちょっと緊張しました。
酔って何かを壊しちゃったらって考えると・・・ね(^-^;

楽しかったなぁ。
このお店の2階を見上げると、あの時の様子を思い出します。(^-^)


さてさて、3回連続(?)シリーズでご紹介した石岡の看板建築いかがでしたでしょうか?

昭和初期の時代に、自由な発想でお店を洋風のデザインで飾った石岡の人たち。
当時の人たちは、「ウチの店はギリシャ風だ」とか「ウチの銅板張り見てくれよ!どうだ?」なんて会話をしていたのかな?
洋風の新しいお店やピカピカに光っているお店は、大火からの復興のシンボルとして、街の人たちに元気を与えていたのかもしれません。

そんなことを想像しつつ、石岡の街を歩いてみるのも結構楽しかったですよ。(^-^)



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by ibaraki-sanpo | 2011-02-13 21:31 | 石岡
2011年 02月 06日

石岡の看板建築めぐり その2 ~すがや化粧品店&森戸文四郎商店・石岡市~

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前回の更新から、ずいぶん間が空いてしまいました(^-^;
いつの間にか月が替わってしまいました(苦笑)

さてさて、「石岡の看板建築めぐり その2」です。
石岡には看板建築の建物がまだまだあります。

上写真の建物は、昭和5年頃に建てられた「すがや化粧品店」さん。
登録有形文化財。
ギリシャ神殿みたいなデザインですよね。


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柱はイオニア式というギリシャ建築様式のデザインを取り入れたものだそうです。

窓の間にある柱の柱の柱頭頭飾りは、イオニア式の特徴であるカタツムリのような2つの渦巻き装飾に挟み込まれた受台の形をしています。

でも、両端の柱の柱頭飾り(柱の上にある装飾)は、アーカンサスの葉と上方に伸びる渦巻き装飾を組合せたコリント式のような特徴がある装飾なんですね。


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複数の特徴を取り入れて、新しいものを表現する。
この自由な発想がおもしろいですよね。
この建物でしか見ることができない様式ですからね。


ギリシャの建築様式については、全然知識がないので、ネットで調べた内容と写真を見て書きました。
用語の意味については、こちらをご参考にして下さいね!
*イオニア式の詳細はこちら
*コリント式の詳細はこちら


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あと、他の看板建築とちょっと違う特徴は、ペディメントの部分でしょうか。
切り妻屋根の妻面を模した、屋号を冠した三関係の化粧壁になっています。
(実際には切り妻屋根じゃなかったと思います)
これもギリシャの神殿建築が原型といわれていているそうです。



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「森戸文四郎商店」さん。
こちらも昭和5年頃に建てられたものです。登録有形文化財。
以前は飼料店で、現在は生花店となっています。


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こちらの建物はこれまで紹介したギリシャ建築様式のものではなく、アール・デコ調のデザインを取り入れた看板建築として紹介されています。

*アール・デコの詳細はこちら


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全体的には直線的な線、四角形の模様で構成されてますね。
そんな直線的な印象にあって、窓枠の上にあるレリーフ(浮き彫り)装飾が印象的です。
向かって左上の四角形のタイルのようなデザインの部分は・・・取れてしまったのでしょうか?

建物の両端の柱部分には褐色のタイルが貼られています。
モルタル塗りの色の中にあって、全体の印象を引き締めてまとめ上げている感じがしますね。


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左右の窓枠の下にある飾り。
これは何をデザインしたものなのでしょうか?
ご存知の方がいらっしゃいましたら教えて下さい。


看板建築といっても、一軒一軒が見せる表情はそれぞれ異なっていて様々です。
細かい部分まで見てみると、なかなか興味深いですね。

しかも、石岡で写真を撮ったことがきっかけで、ギリシャ建築様式のことを知ることになるとは思いませんでした。
こんな風にして知らないことを知っていくのも楽しいですけどね♪


石岡の看板建築めぐり、もう少し続きます。
次回は、みんなで飲み会をして盛り上がったこともある看板建築の建物をご紹介したいと思います(^-^)




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by ibaraki-sanpo | 2011-02-06 10:11 | 石岡
2011年 01月 17日

石岡の看板建築めぐり その1 ~石岡市~

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昭和初期の時代を思い起こさせるようなレトロな雰囲気の建物。
ちょっとノスタルジックな気分になりますよね。

石岡市の街中には、「看板建築」という建築様式で建てられた建造物が残っています。
上の写真の「十七屋履物店」さんと「久松商店」さんも看板建築の建物で登録有形文化財にもなっています。
昨年、NHKの「美の壺」という番組でも紹介されていましたね。

そんな昭和の懐かしい雰囲気が残るを石岡の街を、看板建築で建てられた建物を探しながらお散歩してきました。


さて、「看板建築」というのはどのようなものかご存知ですか?
僕は以前石岡市まちかど情報センターに立ち寄った際に頂いた観光パンフレットで、初めて「看板建築」という言葉を知りました。


「看板建築(かんばんけんちく)」とは、関東大震災後の昭和2~3年頃に、商店などを建てる際に用いられた建築様式です。

その典型的な形と特徴は、

・木造2階建て瓦屋根の店舗兼住宅で、建物の前面が平な面になっている
・建物前面の平な面の部分に銅板やモルタル、タイルなどで洋風な装飾が施されている


です。

建物の前面をキャンバスにして様々な意匠が施されたものが、まるで大きな看板を取り付けたように見えることから、「看板建築」と呼ばれるそうです。


石岡では昭和4年3月14日に起きた大火で市内の大半の建物が焼失してしまいました。
大火以前に建てられたものもありますが、現在見ることができる看板建築のほとんどは、その後に建てられたものです。


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大火以前の昭和3年に建てられた「平松理容店店舗兼住宅」。登録有形文化財。
石岡で多くの看板建築を手がけた左官職人「土屋竜之助」が最初に手がけたものだそうです。


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ギリシアの建物のようなデザインですよね。
装飾は石のように見えますが、モルタルを使用して「モルタル洗い出し」という方法で造られているんです。
まるで石のような質感ですよね。


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こちらは昭和5年ごろに建てられた「大和田家貸店舗(喫茶店四季)」です。
長屋型看板建築で、1軒は現在「喫茶店四季」というお店になっています。
こちらも登録有形文化財。


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コリント様式”風”の柱頭飾り。
わからなかったので(^-^;ちょっと調べてみました・・・コリント様式というのは、ギリシア建築様式の一つで、上下二段に互い違いに配置されたアカンサスの葉や茎の模様の装飾の上に、渦巻き飾りがある柱頭飾りだそうです。

「~風」なので厳密にはコリント様式ではないんでしょうけど、こういう洋風デザインを左官職人がコテで作り出していると考えると興味深いですよね。


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屋根の上には煙突風の突起物。
3本もあります。


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アーチ型の窓飾。


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ちょうど建物の中心あたりにある柱で左右デザインが変わります。
向かって左側はアーチ型の窓飾りだけど、右側は違いますね。
柱頭上の部分のデザインもちょっと違っていますよね。


こんな感じの看板建築が石岡市内にはまだまだあります。
次回も石岡市内の看板建築めぐりをご紹介したいと思います(^-^)。



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by ibaraki-sanpo | 2011-01-17 00:44 | 石岡